「急性胃腸炎」が流行のきざしになっています。
胃腸炎の多くはウイルスや細菌による
病原体の「経口感染」で起こるものです。
そこで今日は、赤ちゃんの胃腸炎の
代表である「アデノウィルス感染」に
ついてお話ししていきます。
あなたは、胃腸炎を起こすウィルスは
たくさん種類があるのをご存知ですか?
冬に多い、乳幼児のかかる胃腸炎の
ウィルスは以下の3つになります。
- ロタウイルス
- アデノウイルス
- 小型球形ウイルス
ロタウィルスについては、こちらを
参考にしてくださいね。
RSウィルスも流行っているようです。
こちらも、過去に詳しくお話しを
しているので確認してくださいね。
アデノウィルスは「プール熱」とも
言います。
なぜなら、プールで感染することが
多いので、こう呼ばれているんですね。
では、どのような症状で検査方法や
治療について詳しくお話ししましょう。
目次
アデノウィルスの症状
それでは、この病気の主な症状を
お話ししていきましょう。
高熱
アデノウィルスの特徴は39度以上の
高熱が急に出ることです。
しかも3~4日続くのは当たり前です。
症状がひどい場合は、高熱が
5日~一週間続くこともあります。
また、熱の高さが一日の中で変動が
あるのもこのウィルスの特徴です。
午前中~昼間は、熱が平熱近くまで
下がるので、熱が治まったと思うと
夕方以降に、再び高熱になります。
完全に解熱して平熱が24時間以上
持続するまでは気を抜けません。
喉の腫れ・痛み
喉が真っ赤に腫れて痛みを伴う
咽頭通が起こるので、飲み込むのも
大変になります。
目の異常
目やにが出たり、目が赤く充血する
「結膜炎」の症状が出るのも
この感染症の特徴です。
その他の症状
その他にも、以下のような症状が
見られます。
- 首のリンパが腫れる
- 腹痛
- 下痢を起こす
- 咳がでる
ごらんのように、風邪の主な症状の
オンパレードです。
また、アデノウィルスは大人にも
感染します。
ただし、大人が感染をしてしまっても
38度ぐらいの熱は出ますが、翌日には
もう熱が下がることが多いです。
でも、子供は免疫機能が未熟なので
大人よりも高熱も出やすくなります。
つまり、大人は鼻風邪程度で済むのに
子供は発熱をしてしまうんですね。
このように、大人が子供と同じ菌に
感染しても症状の程度が全く違います。
検査方法
検査方法は病院によって異なりますが
以下のようなものがあります。
- 綿棒で喉の粘膜を擦る「鼻腔拭い液」
- 喉頭拭い液
- 涙や目ヤニを採取する方法
- 血液検査
- 肺炎の可能性がある時はレントゲンを撮る
溶連菌感染症と区別がつかない場合は
同時に検査することもあります。
溶連菌の感染症については、こちらを
確認してくださいね。
アデノウィルスの治療方法
アデノウィルスの特効薬はありませんが、
症状に応じて薬が処方されます。
処方される薬
高熱には解熱剤、座薬、ウィルス感染の
予防のため抗生剤がでることもあります。
鼻水については「ムコトロン錠」や
「ザイザル錠」などが処方されます。
喉の症状にはトラネキサン錠などの
咳止めが処方され、目の症状には
点眼薬を使用します。
細菌による胃腸炎は、軽く済む場合も
ありますが、時には重症になることも
ありますので注意しましょう。
家での対処方法
高熱に対しては、脇や首を冷やして
対応をします。
食事は消化の良いものにして水分を
十分に補給します。
赤ちゃんの場合は、母乳ならそのまま
ミルクなら少し薄めて与えましょう。
吐いて飲まないときは量を減らしたり
しばらく水分だけにします。
また一度にたくさん飲ませてしまうと
吐き気が出るので気をつけましょう。
離乳期以降の子なら母乳やミルク、
お粥と野菜だけで様子をみましょう。
また、感染力が非常に強いので
タオルの共用をしないようにします。
幼稚園・小学校への出席可能時期
幼稚園、小学校への登園、登校は基本は
次のようになっています。
「主要症状が消失してから2日経過するまで」
数え方は、主要症状が消失した日を
「0日目」と数えて、2日目までは
休まなくてはいけません。
また、アデノウイルスの主要症状の
発熱、喉の腫れや痛み、眼の症状が
消失した日から数えましょう。
でも、医師によっては朝起きた時点で
症状が消失した日を「1日目」として
数える場合もあります。
そして、登園には必ず治癒証明書が
必要となるので確認をしましょう。
もうひとつ、大切なことがあります。
それは、病気が治った後でも注意が
必要なことです。
体の免疫力は、ウイルスと戦った後で
とても消耗をしてしまっているので
しばらくは出かけるのは避けた方が
いいでしょう。
なぜなら、別の「ウイルスや菌」を
もらいやすくなり、また別の病気を
発症してしまうこともあるからです。
働くママはお仕事の都合もあるので
仕方ないのですが、もしゆっくりと
休ませてあげられるのならのんびりと
過ごしてあげさせた方がいいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
冬は二枚貝の「ノロウィルス」による
感染も懸念されるのでこちらの記事も
参考にしてください。
正しい手洗いの方法を載せています。
予防する方法は、とにかくコマメに
手洗いをすることです。
うがいについては最近はあまり効果が
ないことがわかっていますが、
やるに越したことはありませんよね。
最後に、今何が流行傾向になってるか
確認したい場合は、
東京都感染症情報センターのサイトが
参考になりますよ。